東京都~笑in若林様衣装ご紹介

笑いある楽しく朗らかで陽気。

東京は世田谷区、吉田松蔭のお膝元にて、よさこい活動されているチーム、笑in若林様の2010年度製作の衣装ご紹介です。

「オリジナルで作るのは初めてなんです」そんなご相談を頂き、衣装担当さんが揃ってご相談に訪れた時、よさこいとはまた違うひとつの現代社会問題を垣間見ました。

世田谷区にある若林中学という、ひとつの歴史ある学校が少子化問題により廃校になってしまうというお話でした。

隣接している若林小学校も、明治5年に学制が敷かれた時に開校し既に130周年を超えているとか。

小さな若木がすくすくと育つように、100年という長い長い時間を絶えることなく、たくさんの子供達が巣立っていった場所なのだろうと感じました。

来年度の入学生が3名、その中で決定した『廃校』という2文字は受け入れるしかない現代社会の実情であると同時に、たくさんの人の思い出の場所がなくなってしまうという事に悲しい想いになりました。

近くに松蔭神社があり、お洒落なお店がそこここに。

そんな世田谷の一角で、笑in若林さんは活動されています。

一見、高知のよさこいとは似ても似つかない雰囲気なのに、そこにはとても熱い【よさこい魂】がありました。

「よさこいの起源てそもそもこれなんだよな」そう思い起こさせてくれる、このチーム様の為、何かとっておきの思い出になるような衣装デザインはないかと考えました。

そしてオリジナルのお袖プリント柄をデザインいたしました。

このデザインは、世田谷に伝わる『常盤姫伝説』を元に製作しました。

最後まで身の潔白を主張し、最後はその想いを鷺にのせて倒れ、一面の鷺草を生み出したという悲しくも情熱的なお話でした。

そこで、衣装は青い空を舞う鷺のイメージを元に、サックスブルーにこの鷺草のプリントを入れました。

鷺と文字は白、茎の部分は金ラメで上品さを出しました。

神社で踊られることが多いようだったので、衣装ラインは、和である合わせ羽織と腰巻を基本に、本格的な大津脚絆を木綿ガーゼとサテンジャガードの2枚仕立てで製作しました。

また、衿は高めで後ろで深く抜いている特有のラインで、背中には真っ赤な『笑in若林』のロゴで粋さを演出。

金襴帯は、かなり時間かけて探した鷺柄で、女性は黄色・男性は青の鷺柄です。

これを見つけた時は感動しました。

主張ある赤や金・黒もよさこいでは目立って良いですが、「チームの起源であったり、地域性を衣装に込めてそれを背負って立てる衣装だと、誇らしい気持ちで臨めるのでは」

そう伝えさせて頂いたところ、大変喜んで頂きこのデザインに決定しました。

ということで、今回はいつにもましてデザインの統一性に拘りました。

あと、ちょっとかわいらしさを入れたかったので、丸ぐけ紐をサテンで製作しました。

帯下には、弊舎オリジナルの金襴小物入れ(帯揚げを兼ねています)を付けております。

頭飾りでは、鳥の尾をイメージに逆配色にて3枚扇を施しました。

先日の、府中よさこいに応援に伺わせて頂いたところ、たくさんのお喜びの言葉を頂き、

「この発想は、自分達だけでは絶対に出なかった!」と感動してくださり良かったなとホッとしました。

どこかの会場では、たくさんの鷺草が並べられていたそうで衣装と同じだったから嬉しかった。

というようなお話まで聞かせて頂きました。

この笑顔は本当に宝物です。

後日、お礼のお手紙と共に、動画CDを頂きました。

笑顔晴れやかに、演舞される皆さんの姿がありました。

今回、様々な想いの詰まった衣装を製作させて頂き、たくさん喜んで頂き本当に嬉しかったです。

笑in若林様の今後のご活躍を心より応援しております。